本当に目の前にモアイがいる。それだけで感激していたが、私が考えていたほどこの島の歴史は生易しいものではない。そんな歴史の1ページをガイドが紐解いてくれた。来島する前にも勉強はしてきたが、あっちにもこっちにも忘れ去られたように点在するモアイ... 続きを読むを見ていると、私は何を憧れてここに来たのだろうとさえ考えてしまう。どこにでも戦争は有った。その犠牲者なのだ。大きな津波もあった。その犠牲者なのだ。このモアイ文化が展開されていた時の人々は、どうだったのだろう実際は。その心はどこへ行ってしまったのだろう。幸せだったのだろうか。
私の心の中を様々な感情が駆け巡る。この気持ちにさせてくれたのもこの時間を過ごしているからだ。じりじりと照り付ける太陽の下、そんな感情が入り混じりすごく大切な時を過ごさせてもらっていた。今日だけではなく5日間この島にいて同じ気持ちの繰り返しであった。あんな大きな岩を何ゆえに十何キロも運ぶ必要があったのか。それよりも何故あの大きさなのか。この土地に足を踏み入れなければ考えない事実である。ガイドの説明もそのあたりを知ってもらいたいのではと思った。岩山でまだ陽を見ることなくほったらかされたモアイ、移動途中で放棄されたモアイ、何を夢見ていたのだろう。ちゃんとした立像よりもそういったモアイの方が多いのだから。倒され壊されてしまったモアイ達もたくさんいる。日本の機械力で海辺にあたかも島を守るように今の我々を見つめる15体のモアイにツアーの終わりに会えた。ガイドは「僕が一番好きなところだ。」と言っていた。モアイ達はやはり何かを言いたそうであった。私が16体目のモアイになりその列に加わったのだが・・・。多くのことを考えられるいいツアーだ。昼食のバーベキューランチを挟んで充実した1日であった。
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